キャンプやバーベキューの予定を立てたのに「当日が雨」なんて事ありますよね。
また、バーベキューの時の突然の雨。。。
タープを用意しているものの、少しの風でもけっこう雨が内側に入ってくるんですよね。
そんな時、こう思った事はないですか?
「スクリーンタープなら雨風凌げるんだけどな。」
どうしても行きたい時や、急な悪天候の時に重宝するのがスクリーンタープ。
でも、「スクリーンタープ内でバーべキューをやったら危険だ」とも思います。
そこで、実際のところどうなのか?やっている人はいるのか?
やって問題がない場合、どの様に、どんな物を使用しているのか等を確認しました。
スクリーンタープ内でバーベキューしても問題はない?
まず、スクリーンタープ内での火気類の使用は禁止事項として「危険」の注意書きに記載があります。
上記の注意書きは、スクリーンタープの代表として表示しましたが、基本的には全てのスクリーンタープが禁止を促しています。
しかし、周りを見ると結構な人達がスクリーンタープ内でバーベキューをしています。
しかも何の問題もない様子です・・・。
これが、スクリーンタープ内でやっている人が1人もいなかったら、御法度な事としてやらないんですけど、やっている人がいるという事は安全に出来る方法があるという事。
なので、一通り確認してみた結果がこちらになります。
※危険には変わりありませんので、スクリーンタープ内でバーベキューをやる際には自己責任でお願いします。
人体に影響はない?
スクリーンタープ内でバーベキューを行う事による一番危険な事は、コンロから出る煙と一酸化炭素がタープ内にこもり、それを吸引する事によって引き起こす一酸化炭素中毒です。
一酸化炭素中毒による人体への影響
空気とほぼ同じ比重の一酸化炭素は、色や臭いが無く、刺激が無いため発生に気付きにくい気体です。
一酸化炭素は、血液の中のヘモグロビンと結合してしまい、体内の酸素供給能力を妨げてしまいます。
その結果、体内が酸欠状態となって、進行すると非常に危険な状態に陥ります。
軽い中毒症状を表すと、「頭痛」「頭重」「吐き気」「めまい」「耳鳴り」「発汗」等の自覚できる症状があります。
出典:厚生労働省
CO濃度が高く、吸引時間が長いほど重症化しますが、CO濃度が非常に高いと短い時間でも重症化しますので、十分な注意が必要になります。
スクリーンタープ自体に支障はない?
炭の爆ぜによる火の粉の飛び散りによって、タープの繊維が溶けて穴が空いてしまいます。
防火対応のタープでは、多少の火の粉なら穴は空きませんが、通常のタープの素材はポリエステルがほとんどです。
ポリエステルの溶ける温度
出典:繊維加工会社 津山グンゼ株式会社
炭の種類や大きさ、空気の流入量によっても温度は違いますが、バーベキューコンロ内の炭は安定した状態で最低200度以上はあります。
炭火の調度良い火加減は、350度前後と言われていますので、その温度で爆ぜた火の粉がタープに当たると、ポリエステル繊維は当然の事ながら溶けてしまい、タープに穴が空いてしまいます。
スクリーンタープ内でのバーベキュー臭いはどう?
出入り口部分の一面を開けっ放しにする事によって十分な換気が出来ますが、それでも食品を焼いた臭いは、残念ながらスクリーンタープ内に完全にこびり付きます。
スクリーンタープ内に置いた物ほとんどに、匂いが付くと思って下さい。
バーベキューが終わり、コンロをスクリーンタープ内から出して2時間ほど経ってから、一度タープ内から出て、帰ってきた時にもタープ内は十分に臭ってました。
ベタつき感はありません。
スクリーンタープ内での安全安心バーベキューの方法
スクリーンタープ内でのバーベキューは、タープの外でやるいつものバーベキューより少し気を使わなくてはなりません。
また、スクリーンによって風が遮られていますので、炭に着火させてから熾して熾き火の安定までが、いつもと違い多少手間取るかもしれません。
スクリーンタープ内でのバーベキューの仕方
スクリーンタープ内でのバーベキューは、一酸化炭素中毒に細心の注意を払いながら、バーベキューをやるようにしましょう。
タープの出入り口のフラップを張り、常に開放しておきます。
一面を開放しておく事で換気ができ、一酸化炭素を調べられる警報機の数値を細目にチェックしましょう。
開けっぱなしの状態でも、炭からの熱である程度温かいです。
次に炭ですが、タープの穴空き防止のため、爆ぜにくい炭を使う様にしましょう。
爆ぜにくい炭
炭種類 | 素材・原料 | 特徴 |
黒炭 |
・カシ |
他の炭と比べてもやや高めの価格です。 火がおこし易く、火の持続が良いので、初心者の方でも使用し易い炭です。 特徴は臭いや煙が少なく、炭が爆ぜる事も少ない。 火の持続が良い分、バーベキュー後も火が消えにくい。 |
成形炭 オガ炭 |
木材の製材時に出るオガくずや、粉砕された炭などを固めて作られたもの | 火おこし慣れしてる方にオススメで、燃焼時間が黒炭よりも長くコスパも良い。 火のコントロールがし易く、形が整っていて、炭の爆ぜも少ない。 着火剤が含まれているものもあり、そちらは初心者にも推奨できます。 黒炭と同じで火の持続が良いので、バーベキュー後の火処理に時間を使う。 炭の臭いは少なめですが、着火剤が入っているものは着火剤が燃え尽きるまで煙や臭いが発生します。 |
白炭 |
・ウバメガシ |
備⻑炭は、ウバメガシの⽩炭です。 |
注)どの炭でもそうですが、湿っぽい炭は爆ぜやすくなっているので注意が必要。
なるべく新しい物を使用して下さい。
炭は、基本的には熾して熾き火になってからタープ内に入れる様にします。
外で熾する事が出来ない場合、スクリーンタープ内なので風がないから熾き火にするのに手間取ってしまう事も。
そんな時は、火の粉が飛ばない様にピンポイントで風を送る事が出来る吹き矢で、火の粉を飛ばさない様に熾き火を作り上げましょう。
スクリーンタープ内にバーベキューコンロを置く時は、燃え移り防止のためスクリーンタープや物から遠ざけてコンロを置きます。
その際に、必ず警報機を備えるようにしましょう。
扇風機などがあれば、中から風を送って一酸化炭素を外に出すようにするとなお良いです。
バーベキューコンロは卓上型のコンロを選ぶと、放射熱が一方向に出る様になっているので、爆ぜる火の粉も一部分からになります。
その為、通常のコンロより四方から火の粉が出るという事を軽減できます。
食材は、油の少ないもの選ぶと煙が少なく、タープ内がベタつくのを抑える事が出来ます。
また、調理時には網ではなく鉄板を使用すると、コンロの開放部からの爆ぜた火の粉を飛ばさい工夫が出来ます。
ホームセンターでよく売られている木炭(マングローブ等が素材)は、価格が安いですが煙も多く爆ぜ易い炭です。
なるべく避けたいですが、もし、その木炭を使用している時は鉄板を使用するようにしましょう。
番外編として、加熱耐性のあるスクリーンタープを使用するのも有効です。
小さな火の粉であれば、簡単には穴が空きません。
ただ、価格は高くなります。
スクリーンタープ内のバーベキューで用意する物や道具
スクリーンタープ内でバーベキューをやる際に使用する物を、参考として載せておきます。
・警報機
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必須アイテムです。
家族や友人は当たり前ですが、自分を守る意味でも必ず使用して下さい。
こまめに数値を確認し、換気への意識を強く心がけましょう。
・炭
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一番は、煙が少なく爆ぜにくい白炭ですが、黒炭、成形炭、オガ炭が爆ぜにくいので、そちらを使用すると良いです。
普通の木炭(マングローブ等)の使用は煙も多く爆ぜ易いのでなるべく避けましょう。
・卓上型バーベキューコンロ
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放射熱が一方向で扱い易い。 爆ぜる火の粉が飛ぶ箇所も予想し易い為、火の粉によるタープ等の穴空きを防ぎ易くなる。
・吹き矢
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うちわ等だと風の範囲が広すぎて、火の粉が飛びやすくなってしまいます。
その点、吹き矢はピンポイントで風を当てる事が出来るので炭を熾すのも楽になります。
・鉄板
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網と違い、開口部を覆い被す事が出来るので爆ぜた火の粉が飛びにくくなります。
せっかくなので、網では出来ない調理を楽しむのも良いですね。
※サイズの確認をお忘れなく。
・火消し壺
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言わずと知れた火消し壺。
バーベキューが終わり、さっさと炭の後処理をしたい人におすすめです。
火消し壷で火を消す事で安心感があります。
スクリーンタープ内でのバーベキュー後の後始末
食事が終わり、バーベキューコンロを使用する事がなくなったら、コンロをタープ内から外に持っていきます。
火消し壺で火の気を完全に無くしましょう。
特に、オガ炭や白炭(備長炭)はなかなか鎮火しませんので、必ず火消し壺で鎮火させましょう。
炭は燃えるゴミに捨てる様にします。
※捨て方が心配な方は、各自治体に確認して下さい。
注)捨てる際に、完全に鎮火した炭でなければ他の物に着火し、火事になる恐れがあるので十分に注意して捨てて下さい。
スクリーンタープに付いた臭いは、全体の臭いを取りたいので翌日にタープを開いておき、臭いが弱くなるまで暫く待ちます。
タープ内の臭いが弱くなったら、抗菌ファブリーズを全体にかけ、乾いてから片付ける様にしましょう。
抗菌ファブリーズ
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スクリーンタープ内のバーベキュー/まとめ
スクリーンタープ内でのバーベキューは、必ず警報機を備え付け、一酸化炭素に十分気をつけてバーベキューを行う必要があります。
炭が爆ぜて火の粉が飛ぶと、スクリーンタープに穴が空いたりしてしまうので、炭等の道具にも気を遣いましょう。
タープのメーカーは、基本的には危険とし、注意を促しています。
スクリーンタープ内でバーベキューを考えている方は、よく考え、やる際は自己責任でお願いします。
やらない勇気を持つ事も、一つの選択肢としてありますので、時として選ぶのも大事な選択だと思います。